薪ストーブに理想的な巻き煙突ガードとテントとの関係は

アウトドア

最適な煙突ガードとは

3月に入り冬キャンプも終盤。今シーズンはポモリーの薪ストーブを導入。煙突ガードを自作して実際に使ってきましたが、色々なことがわかってきました。

煙突ガードには、テント内で火傷などから身を守る煙突ガードと、テント生地が焼けないように保護する目的の煙突ガードの二つがあります。キャンプで話題になるのはどうしても後者が多いですが、今回は前者も合わせて取り上げてみます。

まず、熱源である薪ストーブの薪の入る容量と火力。それに対してテント内の煙突の高さ。これによって煙突ガードの耐熱仕様が変わります。煙突の長さはテントによって異なります(燃焼効果の関係で最低限の長さは必要ですが)。

テントによる煙突の違い

現在使ってるテントは、ソロキャンプはTCのパップテント。最近二人用に導入したワンポールテントです。ワンポールテントは高さも240cmあるので、長い煙突が必要となります。テント内の煙突の長さ(煙突面積も)も長く、結果としてテント内での放熱効果が高くなります。煙突の温度も放熱効果により上に行くに連れて低くなることから、テントから出す煙突口付近(例えば地上170cm)の温度もストーブ本体近くと比べて低くなります。

一方、パップテントのようにテントの高さが低い場合(地上110-130cm)、ストーブの高さが40cm程度だとしてもテント内の煙突の長さは1Mも無いわけです。超小型のPomoly Traveller のストーブの高さは 31cmです。テント自体が小さいので、テントから煙突を突き出す煙突口の温度は高いはずです。

薪ストーブの違い

薪ストーブによっても火力が違います。Pomoly Traveller の本体は、37cm x 18cm x 18cm です。ほとんどの薪ストーブは、これより燃焼室の容量は大きいはずですから火力も強いはずです。但し、ダンパーの調整でも火力コントロールできるので調整にもよります。煙突が真っ赤になるような火力だと煙突の温度もかなり高くなります。

ワンポールテントの対策

これらを総合して考えると、火力の弱いミニ薪ストーブとテントに煙突口が準備されている中大型のワンポールテントであれば、テントが焼ける心配はないと思います。確かにポモリーのHPの直訳を見ましたが、確かに煙突口の隙間に枝とか入れるだけでいいのかもしれません。

但し、テント内の煙突の露出部分が多く、火傷したりダウンジャケットなど衣類が触れてしまう危険性が高まります。個人的には、油断して煙突に手を付いたり、かがんだ時に顔や髪の毛が当たる近辺は、煙突ガードがあった方が本当は安全だと思います。私も実際にダウンジャケット一着駄目にしました。そもそもテント内で薪ストーブの使用は推奨されておらず、あくまでも個人の責任ですから。

パップテントの対策

パップテントの場合非常に厄介そうです。サイドのファスナーから煙突を出す方法が一般的のようですが、やはりポリコットンでないとナイロンでは難しいようです。テント生地面に耐火のテントストーブジャックを取付けるのも一つの方法です。

パップテントに関しては、狭くて寝床を作ってしまうと薪ストーブを設置するスペースがほとんど無く、サイドの空間を上手く活用しないと厳しいですが、ポールが邪魔になる場合は、ポールの二又化キットがあります。

私が使ってるフィールドアのパップテント TC320 のように最初から二又ボールのパップテントもあります。

二又化により確かに真ん中はフリーになりますがパップテントのサイドのスペースは三角形で上は狭くなるので大きなものは置けません。理想的には薪ストーブのスペースを外に出したいものです。

サイドの三角形の突き出し部分にストーブを置きたいのですが、現実は写真のようにはならず、時間とともにテント生地がたわむので厳しいのです。

写真の黒い紐は二又ボールとボールの先端を繋ぐ紐で、黒いソフトケースが Pomoly Travellerです。ストーブ本体は高さが 18cmですが、脚を伸ばすと地面から31cmありますから。テント生地にしっかりテンションかかってないと生地が垂れてストーブの角や煙突に触れてしまいそうです。写真の位置に配置するのがせいぜい。理想的な形を作るには、サイドをボールに巻き上げ、二又ボールから新しい延長部分を作るしかなさそうです。そう考えると薪ストーブメーカーだけあって Pomoly さんの Fort TC パップテントはよく考えられてます。

FORT TC パップテント | 軍幕テント 前室あり 1-2人用 | POMOLY 
FORT TC パップテント | 軍幕テント 前室あり 1-2人用 | POMOLY

Fieldoor TC-320と比べると、高さは同じく 130cm。横が 320(200+60+60)に対して、400(200+100+100) と両袖にかなり余裕があります。但し、奥行きは、210cm に対して 150cm とかなり狭いので、幕を閉めた状態での内部の広さは TC-320 の方が余裕あります。個人的に使ってみて、脚の長いコットを使うならTC-320くらいの奥行きは欲しいところです。

パップテント用の煙突ガード

今回はパップテントの一般的なサイドの間から煙突を突き出す方法で進めますが、ファスナーがダブルジッパーで、下はファスナーを閉めても上の部分が開放できるタイプが前提となります。

上から出すメリットは、テント内のストーブとテント生地までの煙突距離が長くなり、多少は煙突温度の低下が期待できるからです。Fieldoor TC-320 とPomoly Traveller の場合でも煙突距離は 75cm – 80cm がいいところですから、今回は防火煙突ジャックが無いので、難燃素材とはいえ煙突に触れないように煙突の径に対して煙突ガードの外径を大きくして直熱を遮る必要があります。幸いなことにテント側の煙突口サイズは自由に調整できるので、試しながらやってみます。

煙突ガードはワンティグリスのワンポールでも自作しましたが、超小型・超軽量・超低価格でかつ、巻煙突と合わせてストーブに収納可能なコンセプトを実現し、自己満足できる結果でしたが、DIYなので仕上がりがまだ荒々しい事がマイナスでしたが、まずは機能実現を優先ですすめます。

OneTigris の防火煙突口のサイズは、ポモリーより煙突サイズが少し大きいので、丁度よい隙間があり、適度な遮熱空間となり、網が広がるのを押さえる(網を煙突に押さえつけ落下しない)形になりました。このバネ効果を利用して、さらにレイヤーを重ねることでガードの外径を大きくしてみます。さすがに広がる力が強いので、ラス網の網目と網目を引っ掛けるC字型のフックを作って留めておきます。写真ではさらにキャンドゥで購入してあった不燃材を気休めで巻いてます。

ちょっと話はそれますが、後日ラス網両端を内側に折り曲げました。

これにより、引っ掛かりが少なくなり、収納もスッキリしました。

熱の話に戻ります。結果からですが、ラス網もそれほど熱くなく、ラス網自体は熱の問題は無いと思われます。ポモリーのトラベラーなので火力も小さく、ダンパーで抑えながら使う事が多いのですが、煙突が赤くなるくらい燃やす事もあります。

問題は、テント内で垂れたサイドの生地が煙突に触りそうになる事です。今回は反射板で押し込んでるので大丈夫でしたが、ラス網をテント内の煙突下側に一つ増やした方が安全かもしれません。

※テント内で薪ストーブの使用は推奨されておらず、あくまでも個人の責任で判断してください。

「Pomoly Traveller 」チタン薪ストーブとストーブに収納可能な自作「巻き煙突ガード」のレビュー
ポモリーの超軽量チタン薪ストーブ Traveller。トラベラーという超小型軽量で組み立ても簡単。また「超軽量・超小型・超低コスト」を目指し、ストーブに収納可能な自作の巻き煙突ガードのレビューも交え、その実力はいかに。

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